前回の続きです。
詐欺師から逃げるためプノンペンを脱出しようと思って、バッタンバン行きのバスに乗りました。
ゲストハウスをチェックアウトしてからすぐにバスのチケットを買い、5分後にはプノンペンを出るという早さでした。
バッタンバンに行く予定は無かったんやけど、プノンペンにいるのが怖すぎたんで仕方ありません。
バッタンバンは地球の歩き方にも載ってないし、シェムリアップとかプノンペンに比べると観光客もかなり少なくて、
バッタンバンに何があるのかも全く知りませんでした。
知っていたのはバッタンバンという地名だけで、これもなぜ知ってたかというと、
バッタっぽいから
です。
バッタンバンに到着したんは夜中12時くらいだったんやけど、バスを降りようとすると、
トゥクトゥクの運転手(10人くらい)がバスの窓をドンドンたたきながら
「俺のトゥクトゥクに乗れ!ホテルに連れて行ってやる!」
って言ってたんやけど、
これがめっちゃ怖かったんですよ。
これまでは、運賃をぼったくろうとしてきたタクシーの運転手と言い合いしたり、タイの田舎駅で野宿しても平気だったんやけど、
トゥクトゥクドライバーがバスに群がってるだけでかなり怖くなりました。
その原因はすぐにわかったんやけど、
プノンペンで詐欺に遭ったことで現地人がみんな怖い人に見えるようになってしまったんです。
現地人恐怖症です。
それで僕はトゥクトゥクドライバーを全員無視してバスが停車した所から一番近くのホテルまで走っていったんやけど、
トゥクトゥクドライバーの一人がホテルの中まで付いて来ました。
「なんやこいつ、またイカサマ賭博か」
と思ったけど、そのトゥクトゥクドライバーは詐欺師じゃなくて、
バッタンバンに来た観光客が絶対に行くコースがあるらしいんやけど、次の日にそれに連れていってやるということでした。
その観光スポットというのが、
ワットエクプノンという寺院、カンボジアのキリングフィールドのひとつキリングケイブ(虐殺の洞窟)、それとバンブートレインです。
ワットエクプノンとキリングケイブはプノンサンパウっていう山の中にあるらしいんやけど、そこでは毎日夕方から500万匹のコウモリの大群が見れるみたいです。
バンブートレインというのは使ってない線路に地元民が勝手にトロッコを走らせてるらしいんやけど、
鉄道の復旧作業が行われるからもうすぐバンブートレインは無くなると言われました。(実際にバンブートレインは廃止になったけど、2017年12月にバッタンバンから少し離れたバナンで復活したみたいです)
「お前は良いタイミングでバッタンバンに来たな。15ドルで連れて行ってやるよ」
ってトゥクトゥクドライバーに言われたけど、僕は詐欺未遂事件の後で疲れてたから断りました。
「おもろそうやけど、今は外に出たくないから行かん」
「仕方ねえなあ、10ドルで連れて行ってやるよ」
「行かん」
「5ドルならどうだ?」
「行かん」
「無料で連れて行ってやる」
などと言ってきて、それでも
「行かん」
と断ると、
「お前はバッタンバンに何をしに来たんや?」
と少し怒ったような感じで言われたから、
「詐欺師から逃げてきた」
と答えて詐欺未遂に遭った話をすると、
「Oh,サムライ・・・」
言うてました。
それで僕はバッタンバンには2泊したんやけど、何もしてません。
少し街を歩いたくらいで、コウモリの大群も見てないし、バンブートレインにも乗ってません。
シェムリアップでしたような学校とか孤児院の訪問もしませんでした。
その原因は現地人恐怖症になってしまったっていうのもあるけど、それよりも、
シェムリアップで食べたカレースープの腹痛がまだ続いてたんです。
バッタンバンにいたときの腹痛が一番酷く、ほとんどご飯が食べられなくて
1日3食レッドブルー
で過ごしてました。
そのときは旅を続けられるような状態じゃなくて、バッタンバンで死ぬんちゃうかと思ったんで、
これからアジアをまわってベトナムとかラオスとかミャンマーとかネパールとかチベットとかに行く予定やったけど、
全てキャンセルして一時帰国することにしました。
でも、最後にどうしてもインドだけは行きたかったからタイからインド行きの航空券とインドから日本行きの航空券をskyscannerで買って、
バッタンバンからバスでバンコクまで行くことにしました。
ちなみに、このとき泊まったバッタンバンのアジアンホテルってとこでは
「本当は1泊8ドルだけど、君はチェックインの時間が遅いから5ドルでいいよ」
と言って安くしてくれたし、
なんとなく入ったカフェではフルーツをサービスしてくれました。
プノンペンは車が多くてうるさかったけどバッタンバンは静かで落ち着けます。
My Family Mart て。
こんなところにバッタンバンの我の強さが出ましたね。
「俺のファミマ」やからね。
バッタンバンは観光客が少なくて日本人にはひとりも会わんかったけど、
ここにいる人達は温かくてめっちゃいい街でした。
このときは詐欺の影響で現地人が怖くなってて、体調も悪くてバッタンバンで何もできひんかったから、次は万全な状態でまた来ようと思います。
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